車窓からもらった、いくつもの贈りもの

気づき
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帰省の道中、バスでの移動は片道およそ2時間。
いつもならYouTube動画を観ながら、耳にはイヤホンをつけて過ごしている。


でも今回は、
「景色を楽しんでみよう」
そう思ってイヤホンを外し、ただ車窓を眺めていた。


出発してすぐ、海の方角に虹が見えた。
一瞬だったけれど、はっきりとした虹。


なんだか、いいことが起こりそうな予感がした。
動画を観ていたら、きっと気づかなかったと思う。


そして、その数分後。
一つ上の姉からメッセージが届いた。
「昨日、婚姻届を出してきました」
……いいこと、起こりました!

姉は10年以上の交際を経て、幸せを掴んだ。妹として最高の祝福をしたいと思う。


その後も、ぼんやりと外を眺めていると、
柿農家さんが集まっている地域を通りかかった。


ほとんどの木は、もう実が収穫されているのに、
なぜか、どの畑にも一本だけ、実がたくさん残った柿の木がある。
それが不思議で、あとから調べてみた。

残された柿の実は
「木守柿(きまもりがき)」
と呼ばれるそう。


来年の豊作を願う縁起物として、
収穫への感謝と未来への願いを込めて、
あえて実を残す習慣。


そしてもう一つ。
冬を越す野鳥たちのために、
自然への感謝と配慮として残している、という意味もあるらしい。


そのことを知って、
なんだか胸の奥が、じんわり温かくなった。


イヤホンを外して、景色を眺めていたからこそ、
見えた虹。
届いた嬉しい知らせ。


そして、木々に残された、やさしい想い。
気づくことで、
世界はこんなにも静かで、やさしいものになるんだな、と思った。

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